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カトリック夙川教会月報 巻頭言


by shukugawachurch

クリスマスへの心の準備

                                                       
コーナン・ミシェル 神父 

 123日から待降節に入ります。全世界のキリスト者の一人として幼子を迎えるために心の準備を始めましょう。待降節第1主日の祈願の中に、クリスマスに向かう準備のヒントが与えられています。

 「希望の光を注いでくださる神よ、待降節の歩みを始める私たちの心の目を開いてください。日々の生活の中で、あなたが望んでおられることを見極め、主キリストに従って生きることができますように」(集会祈願)。待降節は神さまが知らせて下さる出来事を思いめぐらす期間です。

 私の一番心に残るクリスマスは、1944年、戦争の時でした!お父さんは戦地に出かけ不在でした。10歳の私は6歳の妹と一緒に、お母さんに連れられ、真夜中のごミサに与りました。3人しっかり腕をくんで、敵に見つからないように懐中電灯を持たずに、30分ほど離れた教会へ行きました。お母さんは敵に光を見られたら殺されるかもしれないと思っていたからです。お聖堂は暖かく、クリスマスの聖歌は参加者の心を慰めてくれました!お父さんが生きているかどうかさえわからない私たちの不安は拭ぬぐわれ、迎え入れられたような気持ちになりました。そして、赤ちゃんのイエス様の誕生をたたえる大きな家族の一人になって、聖歌を歌ったのです。

 帰ってくると、ツリーの下にPère Noël(フランス語でサンタクロースの意)の思いがけないプレゼントがありました(戦争中なのに)。新しい下着とこの一年食べることのできなかった一個のオレンジです。(フランスでは冬のオレンジはなかなか手に入らないものでした。)お父さんが無事に早く戻りますようにと祈りながら眠ってしまいました。不思議なことに、赤ちゃんイエス様の誕生で、神さまの愛に包まれた、最高のクリスマスだったのです!

 現在、クリスマスはお菓子屋さんの喜ぶ時期ですし、サンタクロースからのプレゼントが当たり前のように子どもから期待されていますが、それが全てではないことを私たちは、忘れないようにしましょう。

 イエス様がお生まれになった状況は決して恵まれてはいませんでしたが、マリアさまとヨセフさまの愛に包まれて、たとえ洞窟の中でも、不思議なおごそかさ、静けさ、そして、聖なる温かさに満ち溢れていたと思われます。神さまのみ業ですね。何が人を生かすのでしょうか?赤ちゃんイエス様が全ての人の救いのためにお生まれになったことが意味するもの、それは、まことの命に生きることへの招きです。その信仰を表しても良い時期ではないでしょうか?子どものためのプレゼントも忘れずに、友達を誘ってみたりして、思いやりの輪を広げてお祝いしましょう。

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by shukugawachurch | 2017-12-01 00:00