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カトリック夙川教会月報 巻頭言


by shukugawachurch

10月はロザリオの月

                                                       
ペトロ 梅原 彰
 教皇ヨハネ・パウロ二世は『おとめマリアのロザリオ』という使徒的書簡を2003年に発行されました。ロザリオはマリアへの祈りという性格を持っていますが、核心においてはキリストを中心とした祈りです。福音全体の要約と呼びうるのです。現代の教皇たちはロザリオを頻繁に唱えることを奨励しておられます。
「ロザリオは喜びの時も苦しみの時もわたしとともにあり、あらゆる懸案をこの祈りに託してきました。ロザリオのうちにわたしはつねに慰めを見いだしてきたのです」(ヨハネ・パウロ二世)と。
 私たちはロザリオの祈りを唱える時、日によって、喜びの神秘、光の神秘、苦しみの神秘、栄光の神秘を観想しながら唱えます。観想を抜きに、ただ形式的、機械的に唱えるならば、それは魂の抜けた体にすぎません。キリストも「あなたがたが祈る時は異邦人のようにくどくどと述べてはならない。異邦人はことば数が多ければ聞き入れられると思いこんでいる」と警告しておられます。ロザリオは本来落ち着いたリズムとゆっくりしたペースで唱えられるべきです。私たちはマリアさまのように主の生涯に起きた喜び、苦しみ、栄光の神秘をじっくり味わいながら唱えたいものです。これらの神秘に含まれる言い尽くしがたい恵みがあらわになります。マリアと共にキリストを思い起こすロザリオの祈りは救いの歴史において神が行われたわざを現在化することです。聖書は救いをもたらす出来事が語られており、キリスト自身において頂点に達します。これらの救いの出来事は過去のことだけではなく、救いをもたらす今日のことでもあります。キリスト信者はともに祈るよう召されていますが、それでもなお自分の部屋に入って隠れて御父に祈るべきであり(マタイ 6・6)、さらに絶え間なく祈るべきことを使徒も教えています。
 マリアと共にキリストを黙想するロザリオは、救いをもたらす観想ということができます。ロザリオはあがない主の生涯の秘義に私たちを没頭させます。特に10月は、ロザリオの祈りを個人として、またグループで唱えましょう。
(『おとめマリアのロザリオ』参照)

by shukugawachurch | 2020-10-01 09:00