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カトリック夙川教会月報 巻頭言


by shukugawachurch

福者カルロ・アクティスの模範にならう

                                                       
エリック・バウチスタ・デ・グスマン 神父

 10月10日にイタリアのアッシジ教区の聖フランシスコのバジリカでフランシスコ教皇の特使であるアゴスティーノ・ヴァリーニ枢機卿の司式により、尊者カルロ・アクティスの列福式ミサが捧げられました。テレビやラジオやインターネット経由で放送されたため、列福式ミサの様子は世界の各地で観ることができました。
 では、福者カルロ・アクティスとは誰ですか? どんな生涯を過ごしましたか? どうしてカトリック教会はこの人を福者として認めましたか? そして、どうして多くの人がその列福式に注目しましたか?
 福者カルロ・アクティスは現代の福者であり、インターネットの保護の聖人と言われています。列福式ミサの中で、列福の儀の前に、福者カルロ・アクティスの生涯について知ってもらうために、簡単な紹介文が読まれました。カルロは1991年にイギリスのロンドンでイタリア人のご両親の間に生まれ、カトリック教会で洗礼を受けました。子どもの頃からカルロには強い信仰が見られました。他の子どもと比べ、ご聖体に関する理解を幼い頃から持っており、そのために、早めに初聖体を受けることを主任司祭に認められました。カルロは初聖体を受けてから、できるだけ毎日ミサに与り、ご聖体をいただくこと、そして聖母マリアに毎日ロザリオを捧げることを大切にしていました。
 また、カルロは、アッシジの聖フランシスコにならって、貧しい人々に施しをよくしていました。カルロは自分のお小遣いを節約し、残った分を貧しい人々に施していました。カルロは聖ドミニコ・サヴィオ*の模範にもならい、仲間の子どもたちを悪い影響から退かせ、神様の道を歩むように導くことに力を入れていました。
 カルロは10代になってから、パソコンに興味を持つようになり、プログラミングとホームページ作りを学びました。カルロは学んだ知識を生かして、大好きな聖体のことを普及させるために聖体の奇跡を紹介するホームページを作りました。カルロは自分で何ヶ所かの聖体の奇跡が起こった現場へ巡礼と取材に行きました。「ご聖体は天国へ行くための高速道路である」は、カルロの有名なスローガンです。
 2006年10月、カルロは体調が悪くなって、入院しました。検査の結果は白血病でした。カルロはその結果を冷静に受け止めました。「これから、私は死んでいきます」と笑顔のカルロは動画で語っています。「この病による苦しみを多くの魂の救いのために捧げ、自分が天国へ行けるように」とカルロは言いました。そして一週間後、10月12日に15歳の若さで、神様のもとに旅立ちました。
 福者カルロ・アクティスは、私たちも聖人になれること、そして、先端技術も聖性への道の道具として使えることを現代の私たちに教えています。私たちはインターネットを何のために使っていますか? いのちとは、この世に生きるために神様から与えられている時間であり、永遠のいのちに与るための準備期間だと認識すればいいと思います。
 ご聖体であるキリストと聖母マリアを日々の生活の中で大切にしてきたカルロは、この世から旅立つことに怖れを感じることはありませんでした。自分の目的地が天国であるとはっきりと意識しており、ご聖 体は目的地への道(高速道路)であることを、子どもの頃から悟っていました。確かに、子どもや青年たちだけでなく、大人の私たちも、福者カルロ・アクティスの模範から学べることが多いと思います。
 福者カルロ・アクティス、私たちのためにお祈りください!

*聖ドミニコ・サヴィオは14歳で亡くなった聖人で、侍者・子どもたちの聖人
by shukugawachurch | 2020-11-01 09:00