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カトリック夙川教会月報 巻頭言


by shukugawachurch

神様が待っておられます。この私たちを! (2023年7月・8月号)

                                                       
ダニエル 李 昇倫 神父
 真冬の厳しい寒さの中で人は春の日差しを待ちます。 真夏の蒸し暑い時は秋の涼しい風を待ちます。 このように、私たちは日常の中で常に何かを望み、待ち続けます。
 信仰者にとって生きていくということはどのような意味を持つのか、真剣に考える時間を数分でも持っておられるでしょうか。キリスト信者であるという自覚と教会共同体の一員としての責任感が何より大切だと感じます。
十字架を背負ってイエス様に従う姿勢どころか、世の中のものに阻はばまれ、イエス様を忘れて生きていく私たちの姿…。司祭の説教はただの流れる時間の一部であり、イエス様の聖体はもしかしたらミサに参加したご褒美のようなものに思われがちです。
 信者が多い教会としての誇りと伝統と歴史ある素晴らしい教会という名声にもかかわらず、心からキリストの弟子としての道を歩む信仰者の人数は増えない事実を様々なことから実感しています。
 日曜学校よりは学校の部活動や塾に行くことを大切にする世の中です。聖母の被昇天を祝うよりは夏休みやお盆休みがより優先される世の中です。
 その一方で、心が苦しい時、人生で辛いことがある時、何かの決断が必要な時は忘れず訪れるのが教会です。心の救急病院のように…。
 神様がおっしゃることには耳を閉じて、自分が望むことだけを吐き出す信仰生活です。
 誰よりも自分や家族の幸せを望み、良い成績、良い職場、良い配偶者、良い家庭を築くことを望みます。そのための祈りを口実に、何度も神様を探します。そして天国を願い、助けを望みます。
 聞いて嬉しい言葉や褒め言葉には喜んで答えますが、そうでない言葉には耳を閉じて無視します。自分の子どもは何よりも大切なのに、あなたの子どもを私たちのために十字架の上にかけよと叫びます。
 その私たちを今も待ち続けておられる神様です。寒い冬の後の春の日差しのように…、真夏の蒸し暑さの後の秋の涼しい風のように…。

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by shukugawachurch | 2023-07-22 18:00