カトリック夙川教会月報 巻頭言


by shukugawachurch

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キリシタン 発見の奇跡

                                                       
主任司祭 梅原 彰
 長崎はキリスト教発展の原点と言われます。長崎観光に行かれた方は、大浦天主堂 (国宝)を見られたことと思います。祭壇右の脇祭壇に古い聖母子像が安置されています。そのご像こそ有名になった「サンタマリアのご像はどこに」と問われ、キリシタン発見のきっかけになったご像です。
 来年はキリシタン発見百五十周年にあたります。一八六五年三月十七日の昼下がり、大浦天主堂の近くに住んでいたキリシタンたち数名が、新しく建てられた大浦天主堂を見学に行ったのです。扉は閉まっていましたが、庭にいたプチジャン神父(パリ外国宣教会)が扉を開けてくれました。一行は見物人を装い、珍しそうにあちこち見ていました。
 神父は祭壇の前で跪いて祈っていましたが、見物していた三人の婦人が神父に近づいて、その中の一人が「私たちは浦上の者でございます」と。
 神父が立ち上がろうとすると、また一人が「サンタマリアさまのご像はどこ」と。
 神父は一行を聖母子像の前に案内しました。
 「ほんとうにサンタマリアさまだ。御子ゼスス(イエズス)を抱いていらっしゃる」。
 「私たちは今、悲しみ節(四旬節)を守っています。あなたも守りますか」。
 長年のキリシタン弾圧の中にありながらも、一人の神父も持たないキリシタンたちは、親から子、孫に至るまで断食と祈りの四旬節を守っていたのです。
 プチジャン神父はこの言葉を聞いたとき、どれほどの驚きと喜びを感じたことでしょう。プチジャン神父はこの出来事を横浜のジラール教区長に手紙で知らせました。そして、それは全世界に広まったのです。これは世界の宗教史上の奇跡といわれます。
 キリシタンたちは、プチジャン神父が自分たちと同じ信仰かどうかを見分けるために、三つの質問をしたといいます。
 その一つはサンタマリアの崇敬です。もう一つは神父が独身であるかを確かめるため、次のような質問をしました。「せっかく参りましたので、お子さまや奥さまにご挨拶したい」と言うと、「私は一人です。どの部屋にもいないでしょう」、「それではお国にお残しですか」、「国にもいません。私たちは一生独身です」。神父が独身と知って、それを聞いたキリシタンたちは「ありがとう。ありがとう」と床に額をつけて喜んだと云われます。
 そして、最後に教皇さまに従うかどうかを確かめるために尋ねました。「ローマのお頭さまのお名前は何とおっしゃいますか」、「ピオ九世と申します。私たちはローマのお頭さまから遣わされて、日本に来ました」。
 この三つの質問に対する答えを聞いて、自分たちが神父と同じ信仰であることに安堵したのです。
 浦上をはじめ外海、五島、天草に潜んでいたキリシタンたちは次々と現れ、神父の指導を受けに来ました。こうして日本のカトリック教会は再び信仰の自由を得、今日の教会があるのです。私たちの先祖の信仰の強さを、私たちも学びたいものです。

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by shukugawachurch | 2014-02-01 00:00