カトリック夙川教会月報 巻頭言


by shukugawachurch

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気持ちのいい話

                                                       
ヨセフ 赤波江 豊


 ガンで入院していたある女性の信者さんを訪問した時のことです。その方は私が前回訪問した時のことを話してくれました。
 前回私がその方と話して共に祈って部屋を失礼した後で、同じ病室のお隣の女性の方が私たちの話や祈りを聴いて、「何かすごくいい気持ちになりました」と話したそうです。その病室は相部屋で、お隣とはカーテンで仕切られているだけです。普通このような部屋で話すときは隣の方の迷惑にならないように小さな声で話しますが、それでも聞こえていたのでしょう。その方も別に私たちの話を盗み聞きするつもりはなかったのでしょうけれど、静かに響いてくる声につい聴き入ってしまったのかもしれません。その時、特別なことを話した記憶はありませんが、確かこのような話をしたと思います。
 「年を重ねて病気になり、やがていつか人生の最後を迎えなければならないことは、確かに時々辛く感じるが、それは自然なことであり、人間であることの条件だ。決して倫理的に悪いことではない。私自身も体に故障が増えてきた。もちろん私たちは病気の回復を願うが、今日はもっと大切なことを神に感謝しよう。それは私たちに命が与えられ、今に至るまでこの命が守られ育まれたことを何よりも感謝しよう。その上で、もし神のみこころならもう少し健康をお与えくださいと祈ろう。あなたの今までの人生にも辛いことが何度もあったと思う。でもその度に神はあなたに生きる力と希望をお与えくださった。この神の導きにこれからも信頼しよう。そして、今日お互いにここで出会い共に祈ったことも感謝しよう。私も今日帰ったらこの出会いを日記に書いて神に感謝する。今日はプレゼント交換をしよう。目に見えるプレゼントはないが、それよりももっと素晴らしい祈りのプレゼント交換をしよう。今夜寝る前に私のために小さな祈りをささげてほしい。私も明日のミサであなたのために祈る」。
 こう話してその方の手を取って、今までの感謝と病気の回復を祈りました。そのお隣の方はどんな病気で入院していたのかは知りませんが、きっと心の底で何かの救いを求めていたのでしょう。カーテンの向こうから静かに響いてくる声に耳を傾けながら、自分が求めていたものに出会ったのかもしれません。私はその日、信者さんとだけ祈りのプレゼント交換をしたつもりでしたが、私たちは知らない間にその方にもプレゼントを贈ったようでした。そしてそのプレゼントを受けて「何かすごくいい気持ちになりました」と話した後、「あの男性の方って神父さんですか?」と尋ねたそうです。私自身もそれを聞いて「何かすごくいい気持ちになりました……」。
 2月11日は「世界病者の日」です。





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by shukugawachurch | 2017-02-01 00:00